「スリヴァー(Slivers!!)」デッキ解説②
2018年7月31日前回の記事への反応が意外に多かったことに驚きました。
思えば主要デッキ以外の解説ってあまりありませんし、スタンダード(あるいはレガシー)に比べてモダンはプロからの発信も表層的だと感じています。
さて、今回はスリヴァー・デッキの2マナ域から解説を進めていきます。
なお、スリヴァーに関する一連の記事は、紹介というよりは今までの思考過程のまとめ、みたいになっていますので、字ばかり(余裕があれば画像もつけたい…)で読みづらいと思いますが、ご容赦ください。
(2)2マナ域
補食スリヴァー
筋力スリヴァー
補食は「自軍全体」、筋力は「すべて」のスリヴァーに+1/+1修正を共有します。いわゆるロード能力です。いずれも4枚固定で、デッキの土台をにないます。
よく対戦中に質問されますが、捕食・筋力自身にも修正が入ります。スリヴァーを使う側・使われる側ともに、現状でP/Tがどうなっているかはダメージ計算やプランニングにも直結しますので、常に把握しておくことが重要です。
使う側としては、常に頭の中でP/Tを処理できるようにしておきましょう(もちろん相手から質問があれば正確に答える必要があります)。また逆に使われてうまく把握できないような場合には、対戦相手にしっかり質問して確認するようにしましょう。
筋力に関する注意点が一つ。「すべて」のスリヴァーに影響するため、相手の多相(おもに変わり谷・カメレオンの巨像)のクロックが上がってしまうので、これを見込んだダメージの計算が必要になります。
また、ロード能力に関連して、スリヴァーでの戦闘でとくに意識・注意しないといけない点をまとめておきます。
人によってニュアンスが違うかもしれませんが、私はダメージの「連鎖」(あるいはタフネスの「階段」)というイメージで捉えています。
★戦闘の時に意識するダメージの「連鎖」(あるいはタフネスの「階段」)
少しおおげさな表現ですが、要は単純なことで、戦闘の際に一体でもスリヴァーが減ったらどうなるかを考えて戦闘をおこなう必要がある、ということです。
例えば対ジャンドを想定して、補食スリヴァーが3体並んでP/Tが4/4の時、相手の場にタルモゴイフ(仮に墓地に土地・ソーサリーの2/3)、闇の腹心がいて土地が1枚立っているとすると、これは戦闘をしかけるのにとてもリスクがあります。
仮に捕食3体で戦闘をしかけた場合、致命的な一押しなどの除去が1枚とんでくると、1体がサイズアップしたタルモゴイフにブロックされて一方的に負けてしまいます。またもう1体も闇の腹心にブロックされると、戦闘では3/3対2/1で勝つことはできますが、戦闘終了時に他の1体が死亡することで修正が減って2/2となり、2点の蓄積ダメージでこちらも死亡して、自分のスリヴァーが全滅してしまうことが予想されます。
※もちろん、除去がとんでこなければ12点が入り有利になるので、相手の手札枚数(マリガンの有無)やこの盤面にいたるまでの情報を加味してお願いアタック…ということも考えられます。まあこれは結果論になってしまうので、難しいですね(もう少し単純な盤面を想定すればよかったと後悔しています…笑)。
拡散スリヴァー
自軍スリヴァー全体に、「対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象になるたび、2マナを支払わない限り、それを打ち消す」能力を共有します。当初3枚でしたが、シャドウ系デッキの流行以降、4枚固定になっています。
クリーチャーデッキ天敵の「瞬唱+除去」を1枚で牽制でき、初手にあればスリヴァーを展開する時間を大きく稼いでくれます。また、拡散の能力は重複するため、数が増えると要求するマナも4、6…と増えていき、とくに電解や燃焼など複数の対象をとる呪文や、歩行バリスタなど複数回対象をとる能力に効果的です。
一方、マナが伸びる中盤〜後半になるにつれて価値はさがってしまいますので、 ロードや接死などでクリーチャーとしての価値をどのように保つかが課題(と同時にスリヴァー・デッキのいわゆる「のびしろ」)になります。また、そもそも打ち消されない呪文には無意味なため、モダン環境では突然の衰微への注意が必要です(ただし、環境における衰微自体の数は減っています)。
注意点として、これは誘発型能力なので、相手の呪文や能力に対応して戦場に出しても誘発タイミングをすぎてしまいます。そのため、誘発させるには(時には相手の行動を読んで)先に戦場に出しておく必要があります。
例えば、瞬唱の魔導士キャスト→対象指定や、対人間での反射魔導師、対エルトロでのバリスタキャストなどに対応して、霊気の薬瓶を起動する、あるいはリスク&リターンを考慮しつつ集合した中隊を唱える、などの場面が考えられます。
なお細かいテクニックとして、変わり谷起動後であれば幽霊街・廃墟の地の能力に対しても誘発したり、対アドグレイスで稲妻の嵐を打たれた際、その能力を使って自分の土地を捨てて自分のスリヴァーを対象にとって拡散の能力を誘発させたり、なんてことも可能です(ただし、これは初見の相手には利きますが、慣れている相手には牽制くらいにしかならず、偏執狂ルートをとられてしまいますので過信はしすぎないように)。
マナ編みスリヴァー
宝革スリヴァー
マナ編みは「自軍全体」、宝革は「すべて」のスリヴァーに「タップ:好きな色1色のマナ1点を加える」能力を共有します。
この枠にはかなり紆余曲折があり、当初の不採用から、後述する集合した中隊の登場で3~4枚に増加→その後のモダン全体のスピードアップで2枚に減少→マナスクリューで展開できず負けることが多く、マナフラッド気味でも展開できる方がまだまし、ということで結局4枚の採用となりました。これも後述ですが、スリヴァーの巣を2→3枚にすることで、最低限のマナフラッドの改善を目指しています。
最近までの私のリストではマナ編みを4枚に統一していますが、他の方が指摘されるように、両者の併用は有効だと 考えています。以下、併用に関するメリット・デメリットです。
※なお、前回の画像のリストでは、マナ編み3、宝革1とちらしています。
メリット→同名カード対策
例:大渦の脈動、外科的摘出、反射魔導士、翻弄する魔導士…
デメリット→宝革が対戦相手の多相を強化
例:カメレオンの巨像、変わり谷…
現在のモダン環境にあてはめると、前者はジャンドやシャドウ系、後者はタイタンシフトやマーフォーク、スピリットなどが挙がります。
私の場合は、2017年のPPTQでタイタンシフトが流行し、それが対シャドウ系用にサイドボードに積んでいたカメレオンの巨像がネックになりました。サイド後、こちらの宝革が相手の巨像をマナクリにして一ターン早くコンボが決まったことなどもあって、マナ編み4の構成にしましたが、反射魔道士が増えた現在のメタでは、併用するメリットの方が大きいとも思います。
血吸いスリヴァー
自軍スリヴァ ー全体に、「スリヴァーが1体攻撃するたび、防御プレイヤーは1点のライフを失う」能力を共有します。(ドレインだったら神だった…><、カード名、血吸いなのに抜くだけ…)
タフネスはあがりませんが、擬似的なロードとして1枚採用しています。おもな用途は、打点の水増しと崇拝対策になります。
前者は最後の押し込みやチャンプアタック、また攻撃強制などでも相手のライフを減らせるため、PWのギデオン(3マナ、5マナともに)などに対しても有効ですし、マナがある限りブロッカーが出てくるソプターコンボなどにも対抗できます。
後者は一昔前のバントエルドラージ、最近だと緑白のカンパニー系で積まれる崇拝に対して、打点を落とさず対策になるので重宝します。最近では青白スピリットのサイドボードでも崇拝を見かけます。
ただ、基本的には攻めにしか使えない能力のため、環境を見ながら使う必要があります。
現状では0~1・2枚を行ったり来たりしていますが、環境には5c人間に強いカウンターカンパニーがいるので、1枚は採用すべきと考えています。
毒牙スリヴァー
自軍スリヴァー全体に接死を共有します。
最初は0枚でしたが、ジャンドなどクリーチャーの質で押し込むデッキや、シャドウ系などさほど多くない数のフィニッシャーに依存しているデッキに対する抑止力として1~2枚を採用しています。
また次第に先制スリヴァーの数が増えたことで、かなり使いやすくなりました。
対5c人間だと接死+先制+拡散 or 菅草などが決まると盤面が膠着するので、スリヴァーにとって重要な「数を並べる」ための時間を稼ぐことができます。
さらに、苦手なバーンやブリッツ、感染などの高速アグロに対するブロッカーや、呪禁オーラなどへの牽制としても役立ちます。
一方、対コンボでは2マナ1/1バニラのため、血吸いと同様に環境を見ながら採用する必要があります。
こちらも5c人間の影響で、アドグレイスなどメインほぼお祈りのデッキが減っているので、現時点では1枚は採用の価値があると考えています。
★その他に採用を検討した2マナ域
歩哨スリヴァー
自軍スリヴァー全体に警戒を共有します。モダンで貴重な2マナ域で素のP/Tが2/2のスリヴァーでもあります。
とくにマナ編みと並ぶと、攻撃しながらマナを確保できるので、菅草やスリヴァーの巣の能力も起動しやすくなります。
一方、そもそもP/Tがあまり高くないスリヴァーでは、警戒がさほど強くなく(毒牙や菅草、先制がいないとブロックに回れない)、また重複してもあまり有用な能力ではないため、数を積むことができず、現状では不採用になっています。
暗心スリヴァー
すべてのスリヴァーに「このパーマネントを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る」能力を共有します。こちらも貴重な素のP/Tが2/2のスリヴァーです。
対バーンでのライフゲインや、対死せる生での自殺手段といった役割で、過去に1~2枚採用したことがあります。
あくまで個人の使用感としては、前者はメインとしては他のデッキに強くなく(黒・緑の2マナと、色拘束の強いバニラという印象がぬぐえませんでした)、サイドとしては他のカードの方が優先されてしまいました。後者としてはフェアリーの忌み者があることやイフニルの魔神の採用で、死せる生にあわせて墓地に送っても解決後の盤面で負けてしまうことも多く、最終的に不採用になりました。時々、思い返したように試してはいるのですが…。
双頭スリヴァー
すべてのスリヴァーに威迫を共有します。
回避能力の追加枠としての役割を期待して、1枚入れたリストを数回試しました。
感触として、回避能力としては悪くはありませんでしたが、これも横這や血吸いなどと同じく、攻めてる時にのみ強いカードなので、現段階では優先して積むほどではない、という結論になっています。
ただし今後、戦闘ダメージを通すことが重要になるなら(例えば戦闘ダメージをプレイヤーに与えたら誘発する能力などが出てくるなら)、改めて検討する価値はあると考えています。
霊炎スリヴァー
すべてのスリヴァーを無色にする能力を共有します。過去に1〜2枚を試しに使ってみました。
おもな用途は、刻まれた勇者をはじめとするプロテクションと、精霊龍ウギンや全ては塵など無色に恩恵のあるカードへの対策になります。その他、天界の粛清をはじめとした色対策カードにも耐性がつくようになります。
書いているといいことづくめのように感じてきましたが、実際にはマナコストが黒・赤の2マナと色拘束が強く(素のP/Tは2/2であるものの)、また重複しても恩恵がない能力のため数を積む事ができず、必要な時に引けないというジレンマから、結局不採用となりました。
焼灼スリヴァー
すべてのスリヴァーに、無色1マナを払って生け贄にささげると、クリーチャーかプレイヤーかPWに1点のダメージをあたえる、あるいはスリヴァー・クリーチャーかプレイヤーかPWにあたえられる次のダメージを1点軽減する、という能力を共有します。これも素のP/Tが2/2のスリヴァーです。
実際のゲームで使用したことはまだありません。生け贄に対してダメージ・軽減量が1点と小さいのと、無色1マナというコストが重そう、というのが採用にいたらない大きな理由です(マナがかからない能力だったら用途が広がって〈モグの狂信者もびっくり〉強かったと思いますが…)。
最後の押し込みに使えそうなのと、毒牙などとの合わせ技も考えられるのですが、後者だと茨投スリヴァーでもよいのではというジレンマが…
羽軸スリヴァー
すべてのスリヴァーに、「タップで攻撃かブロックしているクリーチャー1体を対象に1点のダメージをあたえる」能力を共有します。
こちらも実際のゲームでの使用はありません。毒牙・歩哨と組み合わせれば強そうだな…と時々使ってみたくなるのですが、献身のドルイドなどのマナクリーチャーやシステムクリーチャーに触れないのがネックで、いつも脳内で終わってしまいます。
その他、昔はスリヴァー以外に闇の腹心なども使ってみたことがあるのですが…、アドバンテージ源としては悪くなかったものの、ジャンドなどと違って除去が少ないため自分自身で殴りにいくことができず、他のスリヴァーが攻撃にいくなか、攻撃もブロックもできず立ってることも多かったので、結局不採用になって今にいたっています。追加のドロー源は喉から手がでるほど欲しいけど…。
クリーチャーの2マナ域は以上になります。
次回は3マナ域とそれ以外に検討した諸スリヴァー、ならびにできればスペルまで解説したいと思います。
なお、案の定紙幅が膨らんでしまっていて、全体で4ないし5回の構成になる予定です。
思えば主要デッキ以外の解説ってあまりありませんし、スタンダード(あるいはレガシー)に比べてモダンはプロからの発信も表層的だと感じています。
さて、今回はスリヴァー・デッキの2マナ域から解説を進めていきます。
なお、スリヴァーに関する一連の記事は、紹介というよりは今までの思考過程のまとめ、みたいになっていますので、字ばかり(余裕があれば画像もつけたい…)で読みづらいと思いますが、ご容赦ください。
(2)2マナ域
補食スリヴァー
筋力スリヴァー
補食は「自軍全体」、筋力は「すべて」のスリヴァーに+1/+1修正を共有します。いわゆるロード能力です。いずれも4枚固定で、デッキの土台をにないます。
よく対戦中に質問されますが、捕食・筋力自身にも修正が入ります。スリヴァーを使う側・使われる側ともに、現状でP/Tがどうなっているかはダメージ計算やプランニングにも直結しますので、常に把握しておくことが重要です。
使う側としては、常に頭の中でP/Tを処理できるようにしておきましょう(もちろん相手から質問があれば正確に答える必要があります)。また逆に使われてうまく把握できないような場合には、対戦相手にしっかり質問して確認するようにしましょう。
筋力に関する注意点が一つ。「すべて」のスリヴァーに影響するため、相手の多相(おもに変わり谷・カメレオンの巨像)のクロックが上がってしまうので、これを見込んだダメージの計算が必要になります。
また、ロード能力に関連して、スリヴァーでの戦闘でとくに意識・注意しないといけない点をまとめておきます。
人によってニュアンスが違うかもしれませんが、私はダメージの「連鎖」(あるいはタフネスの「階段」)というイメージで捉えています。
★戦闘の時に意識するダメージの「連鎖」(あるいはタフネスの「階段」)
少しおおげさな表現ですが、要は単純なことで、戦闘の際に一体でもスリヴァーが減ったらどうなるかを考えて戦闘をおこなう必要がある、ということです。
例えば対ジャンドを想定して、補食スリヴァーが3体並んでP/Tが4/4の時、相手の場にタルモゴイフ(仮に墓地に土地・ソーサリーの2/3)、闇の腹心がいて土地が1枚立っているとすると、これは戦闘をしかけるのにとてもリスクがあります。
仮に捕食3体で戦闘をしかけた場合、致命的な一押しなどの除去が1枚とんでくると、1体がサイズアップしたタルモゴイフにブロックされて一方的に負けてしまいます。またもう1体も闇の腹心にブロックされると、戦闘では3/3対2/1で勝つことはできますが、戦闘終了時に他の1体が死亡することで修正が減って2/2となり、2点の蓄積ダメージでこちらも死亡して、自分のスリヴァーが全滅してしまうことが予想されます。
※もちろん、除去がとんでこなければ12点が入り有利になるので、相手の手札枚数(マリガンの有無)やこの盤面にいたるまでの情報を加味してお願いアタック…ということも考えられます。まあこれは結果論になってしまうので、難しいですね(もう少し単純な盤面を想定すればよかったと後悔しています…笑)。
拡散スリヴァー
自軍スリヴァー全体に、「対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象になるたび、2マナを支払わない限り、それを打ち消す」能力を共有します。当初3枚でしたが、シャドウ系デッキの流行以降、4枚固定になっています。
クリーチャーデッキ天敵の「瞬唱+除去」を1枚で牽制でき、初手にあればスリヴァーを展開する時間を大きく稼いでくれます。また、拡散の能力は重複するため、数が増えると要求するマナも4、6…と増えていき、とくに電解や燃焼など複数の対象をとる呪文や、歩行バリスタなど複数回対象をとる能力に効果的です。
一方、マナが伸びる中盤〜後半になるにつれて価値はさがってしまいますので、 ロードや接死などでクリーチャーとしての価値をどのように保つかが課題(と同時にスリヴァー・デッキのいわゆる「のびしろ」)になります。また、そもそも打ち消されない呪文には無意味なため、モダン環境では突然の衰微への注意が必要です(ただし、環境における衰微自体の数は減っています)。
注意点として、これは誘発型能力なので、相手の呪文や能力に対応して戦場に出しても誘発タイミングをすぎてしまいます。そのため、誘発させるには(時には相手の行動を読んで)先に戦場に出しておく必要があります。
例えば、瞬唱の魔導士キャスト→対象指定や、対人間での反射魔導師、対エルトロでのバリスタキャストなどに対応して、霊気の薬瓶を起動する、あるいはリスク&リターンを考慮しつつ集合した中隊を唱える、などの場面が考えられます。
なお細かいテクニックとして、変わり谷起動後であれば幽霊街・廃墟の地の能力に対しても誘発したり、対アドグレイスで稲妻の嵐を打たれた際、その能力を使って自分の土地を捨てて自分のスリヴァーを対象にとって拡散の能力を誘発させたり、なんてことも可能です(ただし、これは初見の相手には利きますが、慣れている相手には牽制くらいにしかならず、偏執狂ルートをとられてしまいますので過信はしすぎないように)。
マナ編みスリヴァー
宝革スリヴァー
マナ編みは「自軍全体」、宝革は「すべて」のスリヴァーに「タップ:好きな色1色のマナ1点を加える」能力を共有します。
この枠にはかなり紆余曲折があり、当初の不採用から、後述する集合した中隊の登場で3~4枚に増加→その後のモダン全体のスピードアップで2枚に減少→マナスクリューで展開できず負けることが多く、マナフラッド気味でも展開できる方がまだまし、ということで結局4枚の採用となりました。これも後述ですが、スリヴァーの巣を2→3枚にすることで、最低限のマナフラッドの改善を目指しています。
最近までの私のリストではマナ編みを4枚に統一していますが、他の方が指摘されるように、両者の併用は有効だと 考えています。以下、併用に関するメリット・デメリットです。
※なお、前回の画像のリストでは、マナ編み3、宝革1とちらしています。
メリット→同名カード対策
例:大渦の脈動、外科的摘出、反射魔導士、翻弄する魔導士…
デメリット→宝革が対戦相手の多相を強化
例:カメレオンの巨像、変わり谷…
現在のモダン環境にあてはめると、前者はジャンドやシャドウ系、後者はタイタンシフトやマーフォーク、スピリットなどが挙がります。
私の場合は、2017年のPPTQでタイタンシフトが流行し、それが対シャドウ系用にサイドボードに積んでいたカメレオンの巨像がネックになりました。サイド後、こちらの宝革が相手の巨像をマナクリにして一ターン早くコンボが決まったことなどもあって、マナ編み4の構成にしましたが、反射魔道士が増えた現在のメタでは、併用するメリットの方が大きいとも思います。
血吸いスリヴァー
自軍スリヴァ ー全体に、「スリヴァーが1体攻撃するたび、防御プレイヤーは1点のライフを失う」能力を共有します。(ドレインだったら神だった…><、カード名、血吸いなのに抜くだけ…)
タフネスはあがりませんが、擬似的なロードとして1枚採用しています。おもな用途は、打点の水増しと崇拝対策になります。
前者は最後の押し込みやチャンプアタック、また攻撃強制などでも相手のライフを減らせるため、PWのギデオン(3マナ、5マナともに)などに対しても有効ですし、マナがある限りブロッカーが出てくるソプターコンボなどにも対抗できます。
後者は一昔前のバントエルドラージ、最近だと緑白のカンパニー系で積まれる崇拝に対して、打点を落とさず対策になるので重宝します。最近では青白スピリットのサイドボードでも崇拝を見かけます。
ただ、基本的には攻めにしか使えない能力のため、環境を見ながら使う必要があります。
現状では0~1・2枚を行ったり来たりしていますが、環境には5c人間に強いカウンターカンパニーがいるので、1枚は採用すべきと考えています。
毒牙スリヴァー
自軍スリヴァー全体に接死を共有します。
最初は0枚でしたが、ジャンドなどクリーチャーの質で押し込むデッキや、シャドウ系などさほど多くない数のフィニッシャーに依存しているデッキに対する抑止力として1~2枚を採用しています。
また次第に先制スリヴァーの数が増えたことで、かなり使いやすくなりました。
対5c人間だと接死+先制+拡散 or 菅草などが決まると盤面が膠着するので、スリヴァーにとって重要な「数を並べる」ための時間を稼ぐことができます。
さらに、苦手なバーンやブリッツ、感染などの高速アグロに対するブロッカーや、呪禁オーラなどへの牽制としても役立ちます。
一方、対コンボでは2マナ1/1バニラのため、血吸いと同様に環境を見ながら採用する必要があります。
こちらも5c人間の影響で、アドグレイスなどメインほぼお祈りのデッキが減っているので、現時点では1枚は採用の価値があると考えています。
★その他に採用を検討した2マナ域
歩哨スリヴァー
自軍スリヴァー全体に警戒を共有します。モダンで貴重な2マナ域で素のP/Tが2/2のスリヴァーでもあります。
とくにマナ編みと並ぶと、攻撃しながらマナを確保できるので、菅草やスリヴァーの巣の能力も起動しやすくなります。
一方、そもそもP/Tがあまり高くないスリヴァーでは、警戒がさほど強くなく(毒牙や菅草、先制がいないとブロックに回れない)、また重複してもあまり有用な能力ではないため、数を積むことができず、現状では不採用になっています。
暗心スリヴァー
すべてのスリヴァーに「このパーマネントを生け贄に捧げる:あなたは3点のライフを得る」能力を共有します。こちらも貴重な素のP/Tが2/2のスリヴァーです。
対バーンでのライフゲインや、対死せる生での自殺手段といった役割で、過去に1~2枚採用したことがあります。
あくまで個人の使用感としては、前者はメインとしては他のデッキに強くなく(黒・緑の2マナと、色拘束の強いバニラという印象がぬぐえませんでした)、サイドとしては他のカードの方が優先されてしまいました。後者としてはフェアリーの忌み者があることやイフニルの魔神の採用で、死せる生にあわせて墓地に送っても解決後の盤面で負けてしまうことも多く、最終的に不採用になりました。時々、思い返したように試してはいるのですが…。
双頭スリヴァー
すべてのスリヴァーに威迫を共有します。
回避能力の追加枠としての役割を期待して、1枚入れたリストを数回試しました。
感触として、回避能力としては悪くはありませんでしたが、これも横這や血吸いなどと同じく、攻めてる時にのみ強いカードなので、現段階では優先して積むほどではない、という結論になっています。
ただし今後、戦闘ダメージを通すことが重要になるなら(例えば戦闘ダメージをプレイヤーに与えたら誘発する能力などが出てくるなら)、改めて検討する価値はあると考えています。
霊炎スリヴァー
すべてのスリヴァーを無色にする能力を共有します。過去に1〜2枚を試しに使ってみました。
おもな用途は、刻まれた勇者をはじめとするプロテクションと、精霊龍ウギンや全ては塵など無色に恩恵のあるカードへの対策になります。その他、天界の粛清をはじめとした色対策カードにも耐性がつくようになります。
書いているといいことづくめのように感じてきましたが、実際にはマナコストが黒・赤の2マナと色拘束が強く(素のP/Tは2/2であるものの)、また重複しても恩恵がない能力のため数を積む事ができず、必要な時に引けないというジレンマから、結局不採用となりました。
焼灼スリヴァー
すべてのスリヴァーに、無色1マナを払って生け贄にささげると、クリーチャーかプレイヤーかPWに1点のダメージをあたえる、あるいはスリヴァー・クリーチャーかプレイヤーかPWにあたえられる次のダメージを1点軽減する、という能力を共有します。これも素のP/Tが2/2のスリヴァーです。
実際のゲームで使用したことはまだありません。生け贄に対してダメージ・軽減量が1点と小さいのと、無色1マナというコストが重そう、というのが採用にいたらない大きな理由です(マナがかからない能力だったら用途が広がって〈モグの狂信者もびっくり〉強かったと思いますが…)。
最後の押し込みに使えそうなのと、毒牙などとの合わせ技も考えられるのですが、後者だと茨投スリヴァーでもよいのではというジレンマが…
羽軸スリヴァー
すべてのスリヴァーに、「タップで攻撃かブロックしているクリーチャー1体を対象に1点のダメージをあたえる」能力を共有します。
こちらも実際のゲームでの使用はありません。毒牙・歩哨と組み合わせれば強そうだな…と時々使ってみたくなるのですが、献身のドルイドなどのマナクリーチャーやシステムクリーチャーに触れないのがネックで、いつも脳内で終わってしまいます。
その他、昔はスリヴァー以外に闇の腹心なども使ってみたことがあるのですが…、アドバンテージ源としては悪くなかったものの、ジャンドなどと違って除去が少ないため自分自身で殴りにいくことができず、他のスリヴァーが攻撃にいくなか、攻撃もブロックもできず立ってることも多かったので、結局不採用になって今にいたっています。追加のドロー源は喉から手がでるほど欲しいけど…。
クリーチャーの2マナ域は以上になります。
次回は3マナ域とそれ以外に検討した諸スリヴァー、ならびにできればスペルまで解説したいと思います。
なお、案の定紙幅が膨らんでしまっていて、全体で4ないし5回の構成になる予定です。
コメント