「スリヴァー(Slivers!!)」デッキ解説①
「スリヴァー(Slivers!!)」デッキ解説①
「スリヴァー(Slivers!!)」デッキ解説①
○「スリヴァー(Slivers!!)」ってどんなデッキ?

デッキ名の通り、スリヴァーというクリーチャータイプ(部族)のシナジーに注目したデッキです。
スリヴァーの初出は「テンペスト」ブロック、その後「オンスロート」ブロックのレギオン、スカージと続き、モダンの範囲では「時のらせん」ブロック、「基本セット2014(M14)」「基本セット2015(M15)」に収録されています。

クリーチャータイプとしてのスリヴァーの特徴は、全てのスリヴァーが自身の能力を他のスリヴァーと共有することにあります。
そのため、数を並べることの恩恵が強く、複数体が場に並びはじめるミッドレンジの爆発力は、他のデッキにはあまり見られない大きな魅力です。
とくにスリヴァーは、12枚のロードが採用できる数少ない部族の一つであり、また共有する能力も多様なため、それらを組み合わせることで他の部族とは違った攻め方や構築ができることも、魅力の一つです。

スリーヴァー・デッキとしては、黎明期の「カウンター・スリヴァー」がとくに有名ですが、現在のレガシーでも組むことが可能です。モダンの場合には、M14で新規のスリヴァーが刷られたことでデッキとして成立しました。

以下のリンク先が現時点(2018年6月現在)の私のリストになります。また、現在試行中のリストが画像のものです。
http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD49868S/

モダンのスリヴァー・デッキは、注目するスリヴァー・カードによっていくつかのパターンがありますが、私のものは中速アグロの形をとっています。おそらく、現在のモダンではこの形が主流になっているかと思います。
上記の2リストも完成形と言うにはほど遠いと感じていますが、大まかなデッキの特徴や個々のカード選択、その紆余曲折などをご紹介することで、少しでもスリヴァー愛好家(好事家?)や興味のある方の参考になればと思います。


○デッキの概観

前述の通り、スリヴァーはクリーチャー・シナジーのデッキのため、複数体のスリヴァーが場に並ぶ状況をつくることが最も重要になります。
個々のカードの詳細は次項にまとめていますが、霊気の薬瓶や集合した中隊、またはマナ編み(宝革)スリヴァーなどを駆使して各種ロードを展開し、高クロックを風乗りスリヴァーによる飛行で対戦相手に与えていく、というのが理想的な動きです。
時には4ターン目のダメージが(1回の攻撃で)20点におよぶこともあり、この爽快感もスリヴァーの魅力ですね。

また、モダンでは各除去を瞬唱の魔道士で使い回すのが基本の動きの一つであり、クリーチャー主体のデッキの最初かつ最大の壁になりますが、これに対しては拡散スリヴァー・菅草スリヴァーを有効的に活用することで対抗が可能です。この2種は全体的なゲームスピードを落とすことで、擬似的にスリヴァーの得意なミッドレンジの状況を作り出す、という役割も担っています。

しかし、ミッドレンジの爆発力の反面、特に1~3ターン目の攻防に焦点をおく高速アグロや高速コンボ(例:バーン、ブリッツ、感染、カウンターカンパニーなど)や、ミッドレンジで「勝利する」ことを目指したデッキ(例:タイタンシフト、アドグレイスなど)に対しては、掛け値なしに不利と言えます。
ジャンドなどのミッドレンジやトリコなどのコントロールよりのミッドレンジ、純正のコントロールである青白、そのほか序盤に終盤のカードをプレイすることを目指したトロンなどのデッキも、一枚一枚のカードパワーがスリヴァーよりも高いため、長期戦になったり高マナ域のカードをプレイされる状況になってしまうと、途端に不利になります。

簡単にまとめると、スリヴァー・デッキはモダンの部族屈指の攻撃力を持っていますが、ゲームを通してその最大のパフォーマンスを発揮できる時間は非常に限られ、いかにその時間帯を有効活用し、相手のライフを攻められるかが、このデッキを使う上で第一に考えるべきことだと、私は思っています。


○個別のカード解説

それでは、順次個別のカードを、カードタイプ・マナコストごとに解説していきます。
また、参考のため調整の過程で不採用(あるいは当初から採用していない)になったカードも、その理由も含めて記録しておきます。

①クリーチャー
(1)1マナ域

風乗りスリヴァー
自軍スリヴァー全体に飛行を共有します。デッキの中の唯一の回避能力として、4枚固定の枠です。
高クロックを飛行で通していくのが、スリヴァーの理想的な動きになります。現在のモダンのメタデッキでは、4枚フル投入される飛行クリーチャーはある程度限定される、というのもポイントです。
現状でおもなものは人間(2種)、親和(2種+土地2種)あたりになります。そのほかM19以降はスピリットも増え、また天界の列柱、ホロウワンの炎跡のフェニックス、秘密を掘り下げる者・・・などなど挙げていくと割りと出てきますが、とくにそのなかでも飛行クロックが強いのが最初の2つです。
また相手の飛行への守りの面でも重要な枠になります。アブザンやトークンの減少で未練ある魂の数が減ってるのも大きいですね(マルドゥパイロマンサーのおかげで盛り返してはいますが、一時期ほどではないです)。
そのため優先的に除去の的になるので、状況によっては1ターン目から展開せず、後述の拡散や菅草を優先する場合もあります(レアケースですが、対緑信心の雲打ちは心の隅にでも)。

先制スリヴァー
自軍スリヴァー全体に先制攻撃を共有します。当初0枚から、1、2枚と、段々と採用枚数が増えました。
そもそもスリヴァーの課題の一つとして、1マナ域の頭数が揃っていないことがあり、それは前述の高速アグロへの弱さへと直結しています。
最初の採用のきっかけは対ドレッジで恐血鬼を受け止めることにありましたが、実際の対戦をこなすなかで、対親和(頭蓋囲いルート)だったり、先制攻撃がとくにブロック時に有利な能力のため、盤面をぐだらせて展開する時間を稼いでくれたりと、1マナ域として充分すぎる働きをしてくれることがわかりました。後述の毒牙スリヴァーの接死との相性はいわずもがなです。
ただし、クロック向上には貢献しないので、現時点では2枚に留めています(3~4枚のリストを以前にレガシーで見かけたので、ここの数はまだ検討の余地があるかもしれません)。

★その他に採用を検討した1マナ域
横這スリヴァー
全てのスリヴァーに側面攻撃を共有します。
側面攻撃は、「側面攻撃を持たないクリーチャーがこのクリーチャーをブロックするたび、ターン終了時まで、ブロックしているクリーチャーは-1/-1の修正を受ける」というややこしい能力で、もはや過去の遺物って感じですね。
しかし、相手側クリーチャーが「ブロックするたび」修正が入るので、例えば1/1の2体にブロックされても両方にマイナス修正が入るなど、複数ブロックや若き紅蓮術士、未練ある魂などに対して地味に牽制になったりします。
一時期疑似ロードとして1〜2枚使ったこともありますが、性質上攻めている時にのみ強く、負けている受けの盤面では弱いことから結局不採用になりました。

悪性スリヴァー
全てのスリヴァーに有毒1を共有します。有毒は未来予知のみに収録された能力で、感染の登場でおそらく今後日を見ることはないでしょう。
有毒Nは、プレイヤーに戦闘ダメージをあたえた場合にN分の毒カウンターをあたえる能力で、感染とは違って通常の戦闘ダメージも入ります。このカードはハルクフラッシュでの使用例で有名ですね。
貴重な1マナ域であることや、異なる角度からのダメージレースができることから、テューンスパイクや白金の帝像が増えた時に試したことがあります。
一度、帝像の返しに骨鎌スリヴァー(二段攻撃共有)とあわせて毒勝ちしたこともありますが、結局は通常のクロックが上がらず、毒カウンターをためても悪性を除去されてしまうとプランが崩壊してしまうため、不採用になりました。

クリーチャーの1マナ域は以上になります。
次回はクリーチャーの2マナ域から解説いたします。

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